2012/12/21

砂漠の花



前に多分、世界仰天ニュースで紹介されてて、ずっとずっと見たくて、やっと見れた。「デザートフラワー」

~ストーリー~
数々の一流ファッション誌の表紙を飾った世界的トップモデル、ワリス・ディリーの自伝「砂漠の女ディリー」をワリス本人による監修のもと映画化。ソマリアの遊牧民家庭に生まれ、貧しい少女時代を送ったワリス。やがて故郷を飛び出し、大都会ロンドンでトップモデルへと転身を遂げるが、その胸中には衝撃的な過去が秘められていた。エチオピア出身の現役トップモデル、リヤ・ケベデが主人公を熱演する。


一遍は、よくあるシンデレラストーリーなのかと思いきや、後半はワリスの過去を知ることで、悪い伝統・習慣を知ることで、彼女が世界にそれらを訴えるために、人の出会いに恵まれ、元から持つ美貌、過酷な旅、など、全ての出来事がそういう定めだと伝えるように存在している。それが運命なのか、宿命なのか、それはよくわかんないけど、最後まで見て、この映画が伝えたいことは、貧しい少女がトップモデルになる!ようなことじゃなくて、古い悪い伝統から、解き放れること、変わること、その勇気をもつこと。なんだと思いました。
映画内で、その悪い習慣の対象となってるのが「女性器切除」。名前聞いただけで、嫌だ。純潔を守るため、女性になるため。誰が、なにを根拠に言ったことが、何の疑いもなく続いてんるんだって思うと、怖いものだ。彼女自身も、それが間違ってることだってわかったのも大人になってから。
そして、映画の中での、ワリスがあまりにも美しい。映画内で「君は身も心も美しいね。」って言葉が本当にそのまま。とても、純粋。でも、頑固。汚れを知っても、変わらない。強い人だなって思いました。だけど、もう少し、描写を具体的でもよかったんじゃないかと。もっとショックを与えてもよかったぐらい。

最後の演説で、
愛する母 愛する家族 そしてアフリカ
3000年にわたり 人々はこう信じています
割礼を受けてない娘は
汚れている
股の間にあるのは不潔なものだと
だから切除し処女と純潔の証として封印するのです
初夜に夫がナイフで切り裂いてこじ開け
むりやり押しは入るまで
割礼しない娘は結婚できず
村を追われ 娼婦と同じ
みじめな扱いを受ける
こんな慣習はコーランに書かれていません
性器切除は女性たちの人生に心身ともに深刻な影響をおよぼします
同じアフリカの女性として
私は生きのびましたが姉妹を2人失った
スフィアは切除の出血多量で
アミナはお産の時赤ん坊を宿したまま・・・
この無意味な慣習をやめる勇気を持たねば

祖国のことわざです
”ビリのラクダは 先頭と同じ速さで歩く”
ほんの小さな試みでもやがて大きな力となる

幼い頃 女にはなりたくなかった
女になればつらく不幸な目にあうだけ
大人になった今 自分を誇りに思います
胸をはって堂々と言えるようになりたい
”女になる”と


ひとつひとつが力強いね。そして、彼女自身が母国アフリカに絶望してないことが、よかった。インタビューでも、美しい国。パラダイス。って言ってて、この人は自分自身がもつ障害を責めることもしないんだって思った。

まぁ、何が言いたいと言いますと、いい映画ですよ。それに、重くない。ユーモアもある。でも、見ると視野は広がる。知らないことが知れる。そんな映画。そしてFGMによって苦しむ女性が本当に0になるといいと思います。




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